01:36:39 誰をも愛することのできない二人がかうして会つたのだから、嘘からまことを、虚妄から真実を作り出し、愛を合成することができるのではないか。負と負を掛け合はせて、正を生む数式のやうに。
04:36:39 女に友情がないといふのは嘘であつて、女は恋愛のやうに、友情をもひた隠しにしてしまふのである。その結果、女の友情は必ず共犯関係をひそめてゐる
07:36:40 菊はその形態によってでなく、我々が漠然と呼んでいる「菊」という名によって、約束によって美しいに過ぎなかった。私は蜂ではなかったから菊に誘われもえず、私は菊ではなかったから蜂に慕われもしなかった。
10:36:40 美輪君。君には一つ欠点がある。それは俺に惚れないことだ。
13:36:40 幸福への夢へのたえざる飢ゑと渇きは、実は大企業が、赤の他人が作つてゐるものなのです
16:36:40 誰かが苦しまなければならぬ。誰か一人でもこの砕けおちた世界の硝子のかけらの上を、血を流して跣で歩いてみせなければならぬ。
19:36:40 企業防衛こそ国土防衛の重要な一環であり、一例が電源防衛にしても、それ自体がただちに国土防衛の本質的なものにつながります。
22:36:41 私が考へる世界では、宝石も小鳥と一緒に空を飛び、ライオンがホテルの絨毯の上を悠々と歩き、きれいな人たちだけは決して年をとらず、国宝の壷と黄いろい魔法瓶が入れかはり、世界中のピストルが鴉の群れのやうに飛び集まつて、空はそのために暗くなる。