00:02:48 やつぱりあの蒼鉛の労働なのか
00:32:43 雨はけふはだいぢやうぶふらない
01:02:48 あんまりひどいげんじつなのだ
01:32:43 可哀さうなおまへの弱いあたまは
02:02:49 うしろの遠い山の下からは
02:32:44 電線と恐ろしい玉髄の雲のきれ
03:02:47 こんなきままなたましひと
03:32:44 馬車のラツパがきこえてくれば
04:02:50 筋骨はつめたい炭酸に粗び
04:32:44 はたけの馬は二ひき
05:02:47 いつたいどこへ行つたのだ
05:32:43 氷滑りをやりながらなにがそんなにをかしいのです
06:02:48 木の新鮮と神経の性質と両方からくる
06:32:43 七月末のそのころに
07:02:48 なめらかにつめたい窓硝子さへ越えてくる
07:32:43 わたくしははつきり眼をあいてあるいてゐるのだ
08:02:57 あいつはちやうどいまごろから
08:32:45 速かに指の黒い影はうごき
09:02:51 それらひとのせかいのゆめはうすれ
09:32:46 枯れた野原に注いでゐる
10:02:59 ぶらさがつた章魚を品さだめしたりする
10:32:46 三日月がたのくちびるのあとで
11:02:53 本部へはこれでいゝんですかと
11:32:45 けふはぼくのたましひは疾み
12:02:56 崖の木や草も明らかに見え
12:32:46 こんや異装のげん月のした
13:02:54 とし子 わたくしは高く呼んでみようか
13:32:45 いまわたくしは歩測のときのやう
14:02:57 ひからびてしまつた
14:32:46 二つの耳に二つの手をあて
15:02:52 ひるまのはげしくすさまじい雨が
15:32:46 たくましくも赤い頬
16:02:58 たうとう参つてしまつたな
16:32:46 たしかにまゐつた
17:02:53 (うん きれいだな
17:32:46 あんまりロシヤふうだよ
18:02:57 わたくしはしばらくねむらうとおもふ
18:32:46 わたくしは待つてゐたこひびとにあふやうに
19:02:54 しづくのなかに朝顔が咲いてゐる
19:32:46 と ┃ 秋には熟したいちごにもなり
20:02:56 電や
20:32:46 廐肥も四角につみあげてある
21:02:52 わたくしはこの巨きな旅のなかの一つづりから
21:32:45 わたくしはさつきの柏や松の野原をよぎるときから
22:02:58 ごく強力な鬼神たちの棲みかだ
22:32:46 おれはその黄いろな服を着た隊長だ
23:02:54 ひとつのせきをこえるとき
23:32:46 はげしく頬を刺させることは