00:00:13 ミーがイエスと言わなければ、僕は……例えばチキンラーメンの乾いたのに戻ってしまう
00:30:08 恋は病気の一種だ。治療法はない。ただしそれは世界中で一番美しい病気だ。
01:00:11 蚊の目玉、クモの目玉などを考えると、彼らの頭の中ではこの世界が倒立しているはずだ。人間の脳はそれを逆転させる機能を持っているが、虫にその機能はない。ということは、彼らにとって上昇とはひたすら天に向かっての下降ではないのか
01:30:08 人の人生の総重量なるものはとりもなおさず記憶の重みでもある
02:00:12 僕はいろんなジャンルをデラシネのようにさ迷っているが、そのうつろいの発動力になっているのは「怒り」の感情である。
02:30:08 頂上で、僕は生まれて初めて女の子とキスをした。鳥同士のあいさつみたいな、そんなカチッと音の出るようなキスだった。保久良山を見ると今でも胸がキュンとなる。
03:00:10 月島はもんじゃ焼の町で、ほんとに電信柱おきごとにもんじゃののれんがあった。中には、「男の方のみの二人連れはお断りいたします」という奇怪なことわり書きの出ている店もあった。
04:00:12 恐怖と笑いは構造的に酷似している。
04:30:08 暗い気持ちになって、冗談にでも、“今、自殺したら”などと考えているときに、とんでもない知人から電話がかかってくる、あるいは、ふと開いた画集か何かの一葉の絵によって救われるようなことが。それは、その日の天使なのである。
05:30:08 おれは焦った。しかし仕方がない。入口のところでロンドンブーツを脱いだ。一緒に靴を脱いでいた経理の女の人が、ぎょっとしてロンドンブーツを見ていた。その後、料亭の廊下を歩くわけだが、長くしたズボンのすそを踏み踏み歩かねばならなかった。どうみても“殿中でござる”、はかまだれ状態である。
06:00:12 「おみこし」の中に住みたい、と思う。
07:00:11 酒に対する過剰な賛美もうんちくもストイシズムも「酒飲み道」も、すべてこれ求快の卑しさを糊塗するためのミスティフィカシオンにすぎない。
07:30:07 僕とあなたは別々の個体ですが、ともに「人間」を構成している細胞の一つなのです。「小さな僕=細胞」は死んでも「大きな僕=人間」は生きているわけで、そう考えると死ぬことは別にむなしくありません。
08:00:14 個の細胞はちっぽけな存在ですが、その一生の中には必ず一度か二度「生きていてよかった」と思う瞬間がきっとあります。それは明日かもしれないし、30年先かもわかりません。だからとりあえず今日はご飯を食べて明日まで生きてみることが大事なのです。
08:30:08 「漬けもの屋の娘の熊井よし子のくせに、サロメってのはどういう了見だよ。モンゴル人まるだしの顔して。あんたの顔は、サロメなんてもんじゃない。スルメだよ」
09:00:11 おみこしの中に住みたい、と思う。
09:30:08 「自分の将来のことを考えて、この一年は勉強に専念して、恋愛は來年の春まで凍結しときます」みたいなことのできる奴だったら、そいつはずいぶん「いやな奴」だと思う。
10:00:14 「ハイライトの奴は友達、しんせいの奴は知り合い、バットの奴は他人。ピースの御方はお殿さま」
10:30:08 六錠がおれには丁度いい。十錠飲むとロレツが回らなくなる。十五錠飲めば道で昏倒する。百錠飲めば死ぬ。百錠飲んでもいいが、苦労して死ぬほどの意味は人生には無い。慣性の法則で我々は前へ進み、眠り、そして明日の岸辺へとたどり着く。
11:00:12 フーテンとヒッピーは似て非なるものだ。ヒッピーは「思想」を持っている。ことにウッドストック以来、愛だ自由だ平和だと五月蝿い。おれは、思想の砦の中でぬくぬくしている連中は嫌いだ。
11:30:08 「…みんなと違うってことは…いけませんよね」よく「目が点になる」というが、このときおれは「耳の穴が点」になった。そして学校というものの本質を理解した。ここは「教育」を授かる場などではない。社会の即戦力と成り得るような「均質製品」を大量生産するための工場なのだ。
12:00:13 ストーンズはね、ライブのとき楽屋でチューニングするでしょ。チューニング・メーターで寸分の狂いもなく調弦する。で、その完璧なギターをキース達は持ち上げて、床にゴーンとそのお尻を叩き付けるの。そうすると少し調弦が狂うでしょ。それがいいんだって。
12:30:08 あなたは何にでも整合性を求める。正しさを要求する。コップの置き方からセックスまでね。
13:00:12 人生とはつまり“失うこと”だ。
13:30:08 正しいの“正”っていう字を思い浮かべてごらん。この字は行き止まりで、入口でも出口でもない。左下に変な棒が一本ついているためにシンメトリーでもない。美しくない。つまり正しいという字は正しくないんだよ。狂っている。この世界のようにね。
14:00:15 この狂った世界にあって“正しさ”を求めるというのはそれ自体狂った行為なのではないか。
14:30:09 私はこれからは整然よりも混沌を好む人間になる。
15:00:11 南港パーティーやて・・・
15:30:09 私はピーッです
16:00:14 「おばんです」(「オバタリアン」のポスターのコピー)
16:30:08 いやあ…消毒しないと使えないと思って…
17:00:13 「七文字にならんかね。キミ!」
17:30:08 マルクス主義?あんな、人間の魂に及んでないものは、あきまへん/稲垣足穂
18:00:13 替えのパンツ用意してきな…
18:30:08 ないっ!ワシのカバンがないっ!!
19:00:13 「おとうちゃん、あの人たち模様がない!」
19:30:08 「何?女学生でしょう?ホテルなんていらない。あんなものはね、土手でいいんですよ、土手で!」とのたまったのだった。
20:00:14 「ほう、何ですか、その素材は」コピーライターは、知人の方を嬉しそうに見て「化繊やがな…」と、いばって答えたそうだ。
20:30:08 「ウーン。きれいだ。ウン。こう。ギュッと。きれいだ。ギュッとこう抱きしめて…」
21:00:12 「おじいさん、お腹の具合でもお悪いんですか?」とおじいさんはそのOLをジロリと睨んで割れ鐘のような声で叫んだのだった。「わしの腹の具合が悪うて、何であんたが屁ェこかんといかんのや?」
21:30:09 名刺を渡すときは腰を45度にまげて靴の先を見るんだ
22:00:15 中島らもにとって経営とは?「愛やね」
22:30:08 だからとりあえず今日はご飯を食べて明日まで生きてみることが大事なのです。
23:00:13 男が一生に出す量っちゅうのも一升瓶一本くらいときまってる
23:30:09 グルメ本のほとんどは嫌いだが、田辺聖子と池波正太郎だけは認めざるを得ない