00:02:51 オホーツク挽歌
00:32:44 この変態を恋愛といふ
01:02:49 私の着物もすつかり thread-bare
01:32:44 からすの軋り……からす機関
02:02:50 雲と雨とのひかりのなかを
02:32:44 あらんかぎり手をのばし
03:02:47 ごちやごちや漂ひ置かれたその向ふで
03:32:44 天の海と窓の日おほひ
04:02:50 まがりかどには一本の青木
04:32:44 いまではやつと南京鼠のくらゐにしか見えない
05:02:47 (おい ヘングスト しつかりしろよ
05:32:44 くろくてすばやくきんいろだ
06:02:50 提灯だといふのは勿体ない
06:32:44 Van't Hoff の雲の白髪の崇高さ
07:02:49 ら ┃ ふくふくしてあたたかだ
07:32:43 青じろい骸骨星座のよあけがた
08:02:57 からだの丈夫なひとはごろつとやられる
08:32:45 すゞめ すゞめ
09:02:51 さああすこに水があるよ
09:32:46 陶器の露店をひやかしたり
10:02:59 遠くでは鷹がそらを截つてゐるし
10:32:45 御室の方の火口へでもお入りなさい
11:02:52 べつだんどうもありません
11:32:45 ちやうどひるの食事をもたないとこから
12:02:56 もう二哩もうしろになり
12:32:46 上に浮んで来るのです
13:02:54 暗い金属の雲をかぶつて立つてゐる
13:32:46 どこかの生意気なアラビヤ酋長が言ふ
14:02:57 おまへもさつぱりらくぢやない
14:32:46 この石標は
15:02:51 琥珀のかけらがそそぐとき)
15:32:46 きよめられるひとのねがひ
16:02:57 まだ一時にもならないも)
16:32:46 こんな舶来の草地でなら
17:02:52 牛酪よりは硫黄と蜜とです)
17:32:46 野原へ来れば
18:32:46 緑金寂静のほのほをたもち
19:02:53 これが気温の逆転です
19:32:46 (車室の軋りはかなしみの二疋の栗鼠)
20:02:58 そらがせはしくひるがへる
20:32:46 うしろ?
21:02:52 噴火口へでも入つてごらんなさい
21:32:46 私が腕時計を光らし過ぎれば落ちてくる
22:02:59 すべてこんなに錯綜した雲やそらの景観が
22:32:46 いまはもうさうしてゐるときでない
23:02:53 あかつきの薔薇いろをそらにかんじ
23:32:46 たよりなくさまよつて行つたらうか